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思考の最果て
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白銀(WriteIDEA)

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週刊 WriteIDEA -2018.12.21-
 <今週の白銀>
 ひとまず『ゴッドイーター3』のエンディングまで到達しました。ストーリーに関しては奇をてらわず、ベタな展開が多めではありましたがその分期待から外れてしまうようなこともなく、悪くないかなと思います。ただ、かなりあっさりというざっくりというか、テンポ良すぎるぐらいに話が進展していくので細かい部分や掘り下げが物足りなく感じるところもあります。
 ゲーム性としては『リザレクション』は未経験ですが、初めての人でも遊び易くカジュアル寄りの調整になっているように感じます。装備の作成や強化に要求される素材は少なめで、対象アラガミを1、2体倒せば作れそうな形になっていますし、NPCも強めなのでアビリティカスタマイズをしてやればプレイヤーの装備が多少ランクの低いものであっても戦闘時間は延びるもののクリアすること自体は難しくありません。
 多少の不満点はあるものの、今のところ評価自体は高めなのでミッションを一通りクリアしたらあらためて「娯楽万歳」のコーナーで取り上げたいと思います。
 アップデートでストーリーも追加されるとのことなので、スタッフロール後のアフターストーリーを進めながらアップデートを待とうと思います。
 
 

 
 
 <創作の現況>
 『救国のアルザード』10章突入。
 
 
 <IDEA Pickup>
 今回の話題は『続編について』のお話。
 アニメやマンガ、ゲーム、小説など、あらゆるものが一度完結した後で直面すると思われる『続編』について思うことを書いていこうと思います。
 
 まず、一口に『続編』と言っても大きく分けて3つのパターンがあると思っていまして、「前作から地続き」と「世界観が繋がっている」、そして「要素が引き継がれている」という3つ。
 1つ目は『続編』と言う場合に最も分かり易いもので、前作の主人公がそのまま主人公を継続して話が進んだり、関係者たちに主人公が移ったりはするものの前作の存在や内容を踏まえた上で展開していくパターンです。これは私の作品で言うところの『蒼光』に対する『蒼光2』~『蒼光7』までのような形。
 2つ目は前作と世界観的は同じものの、別の時代の話であったり、別の場所での話しであったり、前作に登場した主人公やその関係者らがメインにはならないタイプの、前作の存在を踏まえてはいても少し切り離されているパターン。私の作品で言うところの『ライト・ブリンガーⅠ』に対する『ライト・ブリンガーⅡ』のような形。
 3つ目は、主にゲーム作品などで使われるパターンだと思いますが、ゲームシステムなどは前作を踏襲したり改良したりされてはいるものの、世界観やストーリーやキャラクターが前作と繋がっていないというパターンですね。私の作品で例えるなら、『魔操世界』に対する『月刀狼牙』や『双魂の焔龍』のような形(厳密には続編ではありませんが、世界観の基礎設計が似通っている、似たような部分があるという点で)でしょうか。
 
 さて、前置きが長くなりましたが、今回は1つ目の「前作から地続き」のパターンについて。
 1つの作品としてエンディングを迎えたものにおいて、直接的な続編を構想しようとする場合の選択肢として思い浮かぶのは、「前作主人公を続投して継続」「別のキャラに主人公を変更して物語を展開」「前作の内容に絡む何らかの物語を展開」の3パターンぐらいが大まかな案として出てくることが多いと思います。
 「主人公続投」は分かり易いパターンですが、前作で主人公が完成してしまっている場合に、次のゴールをどうするかという問題が出てきます。例えるなら、前作で勇者が魔王を倒してしまって大団円を迎えていた場合に、勇者を主人公として続投させるなら前作と同等以上の敵や舞台、物語性が要求されることになるだろうということです。
 「別のキャラを主人公にする」というのは多少サイドストーリーや外伝的な形にもなりがちですが、前作主人公とはまた違ったキャラクターや世界観の掘り下げが出来たりするという利点もあります。こちらのパターンの場合、新たに主人公とするキャラクターのスペック次第では、敵や舞台が前作よりスケールダウンしたとしても成立させ易いという印象があります。
 「前作に絡む物語」は少々変則的ですが、前作で重要だったキャラクターや事象に対してスポットを当てた話などが該当します。具体的には、前作ラスボスがそのポジションになるに至った話、などでしょうか。
 
 いずれにせよ重要だと思うのは前作における主要キャラクターの扱いではないでしょうか。
 特に戦闘要素などがある作品の場合、一度終了ないし完結を迎えてしまっていると、主人公らメインキャラクターの物語は一度完成してしまっていると思います。精神的にも能力的にも成長し、完熟してしまった存在を中心に物語を再開するとなると、では次の物語の起伏はどうすれば良いか、という部分が頭を悩ませることになります。
 有名な話だと『メタルギアソリッド2』で主人公がスネークから雷電に交代となったことについて、小島監督は「前作で英雄的な事象を成し遂げ、歴戦の勇士として強いことが分かっているスネークをプレイヤーキャラクターとしてまた一から出直させ、チュートリアルのようなものを行い、進行と共に難易度やハードルを上昇させていくのはストーリーとしてもゲームデザインとしてもおかしい」といったようなことをインタビューで話していました。
 続編製作の難しさはまさにこれだと思っていて、続きを考慮していない終わり方をした作品の続編を考える場合に頭を悩ませる部分だと思います。
 自作を例に出すと、『蒼光1』の終わり方は続きがあることを意識したものだったので、未完成感のあるものになっていました。主人公は強力な能力を持っているものの、まだ完全に使いこなせているとは言えず、精神的にも戦闘能力的にも伸び代が十分残されている上、敵もより強い者たちが残されています。『蒼光7』の終わり方は『蒼光』としての物語の完結として書いたものであるため、主人公は精神的にも戦闘能力的にも完成に至っています。この段階になると、主人公に勝てる能力者が存在しません。
 ここから『ライト・ブリンガーⅡ』ではなく『蒼光』として続編を書こうとした場合、外伝的な短編集として本編の補足や本編に挟めなかった話を書くという程度に留まることになりました。
 戦いの終わった後の平穏な日常を描いていくという手もあるにはあるのですが、それではいずれ書き手も読み手も飽きが来ると思っています。構想としては『ライト・ブリンガーⅡ』という次の時代の続編が存在することもあって、そこでまた大きな変化はあるものの、そこに至るまではそれまでの『蒼光』本編よりも退屈な話になってしまうだろうという思いがあるのです。
 平穏な日常を延々と描いていくことが目的の作品ならまだいいのですが、『ライト・ブリンガー』というシリーズはそれがメインの作品群ではありませんし。
 
 長くなってきたので次回へ続く。
 
 
 <娯楽万歳>
 休載_(:3 」∠ )_
 『Write IDEA Of The Year』の後半でもやろうかと思っていたのですが、取り上げる項目が思い付かなかったのと色々やることあって時間取られてしまったのでコーナーお休みということに。
 
 
 <連載>
 短期集中連載企画
 『魔導戦騎 救国のアルザード アウトサイド 三獣士』
 #強剣の刃狼4
 
 
 二機の《アルフ・セル》が突撃銃を撃つ。ウルは手榴弾を投げて横に飛び退く。投げた爆弾を《守護獅子》は盾で弾いて返してきた。ウルが後ろへ跳んだところへ随伴《アルフ・セル》が銃撃を行う。足元を狙った牽制射撃を、着地前に盾を地面に落として防ぐ。
 接近してきた《守護獅子》がアサルトソードを横薙ぎに振るい、ウルは屈んでかわした。《アルフ・セル》が狙っているため反撃はせず、足元に落とした盾を拾って横へとステップを踏み、《守護獅子》の側面へ回り込む。
 振るった刃は、《守護獅子》の盾を撫でた。こちらに合わせるような動きは偶然か、それとも狙ってのものかは分からない。ただ、盾で受け止めるのではなく、刃の接触と同時に力の向きを逸らされるように動かされた。
 お陰で刃は折れなかったが、致命傷も与えられなかった。
 即座にバックステップして、《アルフ・セル》の援護射撃をかわす。遮蔽物がない分、射撃は防げないが射線は読み易い。腕部ランチャーで《アルフ・セル》を牽制、横合いからアサルトソードを振るう《守護獅子》に盾を合わせ、剣を押し留める。掬い上げるように下から振るった刃で斬り付けるも、《守護獅子》はアサルトソードを手放し距離を取ってかわす。《守護獅子》の装甲表面に傷をつけるだけに留まり、両断されたアサルトソードだけがその場に落ちる。
 ウルは斜め後ろへと逃れ、二機の《アルフ・セル》による射撃をかわし、最後の手榴弾を投げると共に腕部ランチャーを一発ずつ放つ。ランチャーをかわした《守護獅子》の前で手榴弾が爆発を起こす。盾で防ぐのが見えた。
 その隙を逃さず、《アルフ・セル》に接近、刃を振るう。右腕を肩口から切断し、後退しようとするところへ踏み込んでもう一閃、右脚を断ち斬る。さらに刃を薙ぎ払うも、《アルフ・セル》は背中から倒れ込むようにして胴体への直撃を避けた。頭部前面を刃の先端が引き裂く。
 左手の盾を蹴飛ばして、右手と共に落下した突撃銃を踏み付けて破壊する。
 《守護獅子》の銃撃を飛び退いてかわせば、戦闘不能になった《アルフ・セル》を庇うような形で立ち塞がる。《守護獅子》はその《アルフ・セル》の背面ラックから落ちて地面に転がっていたアサルトソードを拾い上げると、ウルへと向かってくる。
 近距離で刃を交わす。
 致命傷こそ防いでいるが、《守護獅子》に傷が増えていく。近接戦闘においてはウルの方が上だった。
 突きをかわしきれず、《守護獅子》の頭部の一部が裂ける。避けきれなかった斬撃によって出来た装甲の裂け目からは内部機械が覗く。盾にも斬撃痕がいくつも走り、あと数回でも受け止めたら割れてしまうだろう。
「ここまでだな……」
 確かに《守護獅子》は稀に見る手練れだった。
 ウルの独特な近接戦闘術にここまで食らい付いて来れたのは《守護獅子》が初めてと言って良い。剣の間合いでの攻撃の応酬の中で、まともに太刀を浴びなかったのは称賛に値する。《守護獅子》と言われるだけのことはある。こと防御においてはウルをさえ上回っているかもしれない。
「気を付けろウル! そっちに一機抜けて行った!」
「む……?」
 ダオグからの通信が聞こえたと同時に、センサーに反応があった。
 魔動機兵とは思えない速度で反応がこちらに近付いてくる。
 後方に飛び退くと同時に、銃撃が突き刺さった。車輪を履いた《アルフ・セル》が《守護獅子》との間に割って入るように現れた。
 すかさず踏み込み、刃を振るう。
 新手の《アルフ・セル》は《守護獅子》を突き飛ばすようにして遠ざけながら、横へと逃れる。車輪が泥を巻き上げ、加速しつつ側面へ回り込んで銃撃をしてくる。
 身を屈ませて銃撃をかわしたウルは、新手の《アルフ・セル》へと機体を走らせた。
 この速度は脅威だ。《守護獅子》を仕留めて結界基部へ向かおうとしても、この車輪を履いた《アルフ・セル》は振り切れない。その移動力だけでも奪っておかなければ、邪魔になる。
 腕部ランチャーで牽制しつつ、向かってくる《車輪付き》の回避軌道を塞ぐ。車輪による前後への機動力はかなりのものだが、方向転換も容易ではないはずだ。
 このまますれ違う際に腰から上を断ち切る。両手の刃を水平に二つ並べるようにして構え、腹から上を掬い上げるように振るう。
 だが、《車輪付き》は後ろに大きく倒れ込みながらすれ違い、ウルの攻撃をかわして見せた。
「何……!」
 しかも、倒れ切っていない。車輪による推進力はそのままに、背中が地面に着くギリギリで持ち堪え、強引に身を起こしたのだ。足首や膝、股関節、腰といった機体の各関節部に相当な負荷がかかったはずだ。駆動部に無理を言わせるほどの出力など、並の人間に出せるものではない。
「まさか、こいつが《バーサーカー》という奴か!」
 大きく迂回しながら、車輪を履いた《バーサーカー》が牽制に銃撃をするも、弾切れを起こしたのか銃を捨ててアサルトソードに手を伸ばす。
 それはアサルトソードと言うにはあまりにも肉厚で大きなものだった。通常の魔動機兵では両手で振るうのがやっとだろう。
 《バーサーカー》はそれを片手で掴んでから両手で水平に構え、左右の車輪をそれぞれ逆に回転させることで機体をスピンさせながら近付いてくる。
「面白い……!」
 ウルは口元に笑みが浮かぶのを止められなかった。
 こんな規格外の存在は見たことがない。《守護獅子》も確かに強者と言えるが、それでもまだ魔動機兵という枠の中での話だ。達人ではあろうが、超人と呼べるほどではない。
 だが、ここまで見せられた《バーサーカー》の挙動だけで、ウルにはこの魔動機兵がどこか既存の者らとは一線を画しているのだと察した。
 あれだけの分厚い金属の塊を、両手とはいえ切っ先を下げず水平に保ち突撃してくる。機体を操る出力の桁が違っているのだ。車輪による高機動も、今見せているスピンも、咄嗟にやるには相当な魔力適性を要求されるはずだ。
 まさに《バーサーカー》だ。噂に偽りは無かった。
 単体としての脅威度は間違いなく《守護獅子》よりも上だ。これに暴れられたらまともな魔動機兵乗りでは押さえられないだろう。
 高速スピンで振り抜かれた剣を、紙一重でかわす。剣が通り過ぎたその一瞬に、二刀の刃で斬りかかる。
 遠心力の存在を無視するかのように大剣が引き戻され、車輪を逆回転させることでスピンさえも急停止させて、《バーサーカー》はウルの斬撃を受け止めた。
 金属音と衝撃が響き渡り、雨粒が弾け飛ぶ。
 大型のアサルトソードは分厚すぎて両断することができなかった。まるで盾を斬り付けたかのようだ。
 と同時に、ウルは見た。
 《バーサーカー》の機体は、その負荷を受け止めきれていない。剣を引き戻す時、制動をかけた時、関節部に小さく火花が散っている。雨雲により暗いのもあって、はっきりと見てとれた。
「なるほど、確かに《バーサーカー》だ」
 ウルが振るう二刀を、《バーサーカー》は車輪を駆使してかわしていく。
 その挙動は力任せではあると感じるが、その分シンプルに強力だ。普通なら出来ない動きを無理矢理させているというアドバンテージは小さくない。
 もし一発でもまともに食らってしまえば致命傷だろう。
 至近距離で鍔迫り合いからスピンをかけて一閃される大剣へ、ウルは踏み込み刃で切り上げる。力が乗り切る前に大きく抉れた大剣の傷痕目掛けて刃を滑らせた。
 鋭く重い金属音と共に、大剣が切断される。もう一方の手に握られている刃ですかさず斬り付ける。《バーサーカー》は折れた大剣をそのまま振るい、ウルの攻撃に合わせてきた。
 片刃のアサルトソードを折れた大剣で打ち払う。折れているとは言え、分厚く硬く、重量のある金属塊で打ち据えられれば薄く研がれたウルの片刃の剣など脆いものだ。
 互いに一歩も引かずに機体をぶつけ合う。頭がぶつかり合うほどの距離で、互いに折れた剣を投げ捨て、次の武器へと手を伸ばす。
 《バーサーカー》が手にしたのは通常のアサルトソードだった。だが、あれほどの重量物を軽々と振り回せるのだから、通常のアサルトソードと言えど叩き付けられればその破壊力は並ではあるまい。むしろ軽くなって負荷が減った分、取り回しやすくなったことは脅威と言える。
 ウルの振り上げた刃をかわした《バーサーカー》が側面へ回り込み、アサルトソードを振り下ろす。内側から払うように刃で受け流し、返す刃をもう一方の剣で受ける。力が乗り切る前に剣を交え、軌道を逸らしてくる。
 ウルの一撃が、アサルトソードごと《バーサーカー》を斬ろうとしているのを読んでいるのだ。それを凌ぐだけの技量は持っている。だが、《バーサーカー》の本質はその馬鹿げた出力にある。
 再び刃が接触するのとほぼ同時に、《バーサーカー》の右足が跳ね上がった。右足の車輪だけを急速回転させ、その推進力をそのまま叩き付けようとしていたのだろう。
 ウルは刃の接触と同時に後ろへとステップを踏んでいた。そして目の前で跳ね上げられた右足に刃を閃かせる。
 右脚を斬り落とし、もう一撃を見舞う。《バーサーカー》は辛うじてアサルトソードでそれを受け止めたが、体勢を崩し背中から地面へ倒れ込んだ。地面に背中が着く直前に、残っている左足の車輪を回し、背中で泥水を跳ね散らしながら距離を取る。
 まだ戦意を喪失していない。片足でも十分な機動力がある。
 確実に仕留めておく必要がある。ウルは《グルム・ヘイグ》を走らせ、追撃を狙う。
 《バーサーカー》は左手の盾を地面に押し付けて上体を乗せるようにして、左足の車輪で走り始めた。雨でぬかるみ、滑り易くなっているとは言え、起伏と摩擦による衝撃が左腕に凄まじい負荷をかける。関節が目に見えるほど火花を散らし、それでも《バーサーカー》は機体を滑らせてウルへと向かってくる。
 満身創痍になりながらも右手に持ったアサルトソードを水平に構え、突撃してくる姿に敬意すら覚えた。
 応えるように、ウルは《グルム・ヘイグ》の刃を向かってくる《バーサーカー》へと振るう。仰向けに半ば倒れたような姿勢で突撃してくるその機体の上半身を掬い上げて斬り裂くように。
 瞬間、《バーサーカー》は左腕で大地を押すようにして、機体を跳ね上げた。手首、肘、肩の関節が負荷限界を超えて千切れ飛ぶ。それでも機体は跳ねた。
「……っ!」
 ウルの振るった刃は立ち上がるような格好になった《バーサーカー》の左脚を断ち斬った。同時に《バーサーカー》のアサルトソードが閃く。
 《グルム・ヘイグ》の頭部に食い込んだ剣は七割ほどを叩き潰し、右肩を大きく抉った。ウルの刃が到達する方が早かったお陰で、《バーサーカー》の狙いがズレたのだ。胴体への直撃は避けられた。
 そしてすれ違った《バーサーカー》の機体はその勢いのままに地面に叩き付けられた。雨と泥にまみれ、それらを跳ね上げ撒き散らしながら地面を跳ねて転がっていく。衝撃で装甲が砕け、内部部品も弾け飛ぶ。
 さすがにもう戦えないだろう。
 両足を無くし、左腕も無く、右腕は地面を跳ね転がるうちに拉げている。武器になりそうなものは無い。無力化できたと言って良いだろう。
 小さく、しかし深く息を吐く。
 《グルム・ヘイグ》はまだ戦闘が可能だ。頭部センサーは大半が沈黙しているが、辛うじて視界は半分近く生きている。右肩は装甲を大きく斬り裂かれたようだが、まだ動かせる。左手のアサルトソードは刃こぼれが激しいものの、まだ二、三回は振るえるだろう。
 この先に部隊が展開している様子はない。もしもまだいるのであれば、とっくにここまで増援へやってきているはずだ。
 後はいても歩兵程度だろう。
 結界基部があるであろう方面へと足を踏み出した。
 だが、次の瞬間、その足元が小さく爆ぜた。銃撃だ。
「ち……」
 舌打ちしつつ、後退する。
 それに合わせるかのように、銃弾が機体を掠める。少しずつ、照準が精確になっている。
 前方に見えたのは《アルフ・カイン》と呼ばれるアルフレイン王国の最精鋭、近衛部隊で使われている魔動機兵だった。青と白を基調とした装甲に金の装飾が施された、見た目にも華やかな機体だ。
 手にした突撃銃で《グルム・ヘイグ》を狙いながら、こちらへと近付いてくる。
 左手の片刃のアサルトソードが銃弾で砕かれた。
「……やむをえん、か」
 腰裏に残しておいた魔術信号入りの閃光手榴弾を取り出し、後方へと大きく飛び退きながら地面へ叩き付ける。二度、三度、と手持ちの閃光手榴弾を全て撒きつつ、撤退機動に移る。
 まともに戦える武器が無いというのもそうだが、これ以上の戦闘はウルの生還確率を著しく低下させる。
 ただでさえ、単独で孤立しながら突撃してきたのだ。《守護獅子》と《バーサーカー》にここまで食らい付かれて時間を稼がれて消耗した《グルム・ヘイグ》では撤退中に退路を塞ぐように敵部隊に展開されてしまえば突破できないだろう。まだ他の部隊が戦闘をしている間に撤退を知らせ、合流しなければならない。
 幸いなことに、脚部はまだ十分に動く。味方に紛れて回避と逃走に徹すれば帰還できるだろう。
 後方を警戒するも、《アルフ・カイン》が追撃してくる様子はない。味方の救助や生存確認を優先しているのだろうか。ウルとしては精鋭との連戦を避けられて好都合だが、ここまで侵攻し孤立した《グルム・ヘイグ》を見逃すというのもどこか引っかかる。
「通信は……無理か」
 ダオグたちの戦闘が見えてきた辺りで呼びかけようとしたが、先ほど破壊された頭部の中に通信に関わる部分も含まれていたらしい。通信が機能しなくなっている。
 アルフレイン王国の防衛部隊を背面から真っ直ぐに突っ切るようにしてダオグたちの部隊に合流する。通信に応えないのも、《グルム・ヘイグ》の姿が見えたことで察してくれたらしく、ダオグたちの動きが撤退のためのものに変わる。
「《バーサーカー》か……」
 来た道を戻りながら、呟いた。
 驚異的だった。
 至近距離での蹴り上げをかわせたことが勝敗を分けた。
 あの出力とあの推進力なら四肢をぶつけるだけでも相当な破壊力を生み出せる。攻撃時に角度と速度を絶妙に合わせなければならない《グルム・ヘイグ》の片刃アサルトソードに対しても、突発的にぶつけて接触のタイミングをずらしてしまえば真正面から振るった刃を圧し折って蹴りを入れられただろう。
 警戒しておいて正解だった。
 同時に、先に大型のアサルトソードを破壊出来ていたことも大きかった。蹴り上げを後退でかわせたのはギリギリだった。大型のアサルトソードが残っていれば、いかに重量があろうと《バーサーカー》の出力なら無理矢理振るえただろう。あの大剣のリーチであったら、かわしきれなかった。蹴り上げた右脚を斬り落とせても、大剣によってこちらも叩き潰されていた可能性が高い。
「だが、ああ、そうだな」
 ウルは思い返して、一つ、二つ、と頷く。
 呼吸さえ忘れ、ただ目の前の存在に集中する感覚。倒すため、生き残るために意識を研ぎ澄ます時間。それらは、ウルにとっては甘露にも等しい。
「楽しかったよ」
 出来ることならば、また戦いたいものだ。
 こんなこと、部下たちに言えば反応に困るだろう。
 ダオグも理解はしてくれても共感は出来まい。
 どうでもいい戦争の結末や、将来のことなどよりも、目の前の敵を上回ることただそれ一点に意識も感覚も集中させ、余計なことを考えずにいられる充実した刹那の時間が、ウルにとっては生きる楽しみなのだ。
 
 
 ――つづく
 
 
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